沙羅からのお便り 2018年2月1日

沙羅からのお便り 2月1日

 

山の仲間たち

森の中の温泉を楽しんだ翌朝、二夫婦は下りホームへ、私だけが上り新宿行きのホームへ。昼過ぎには沙羅へ戻らなくてはならない。
電車の中でふっとわらいそうになる。
「ゆり子さん、もう一度涸沢へ行きたいよ。ねえ、行こうよ! 涸沢に転がってさ、西穂のてっぺんが夕陽を浴びて真っ赤に染まる……。もう一度見たいねえ!!」
湯上りにたくさん呑んで少年のように叫ぶかつての山男。
私が穂高連峰に魅せられて通い続けることになった夕暮れの山、赤く染まった西穂高の山頂が一瞬白く輝き、やがてあたりは闇に包まれてゆく。自然が創り出す一幅の絵のような景色が蘇る。数年前の秋、季節外れの吹雪の彼方に見た紅葉の涸沢が最後の北アルプス行きだった。

脊柱管狭窄症に悩まされている男二人、
「フルマラソンはしんどいから、最近はハーフにしたの」元気なT子さん、毎日ジムに通って健康保持に努めているA子さん。二人の妻たちは夫たちの話をニコニコと笑いながら聞いていた。
ホントに出かける気?! 登山靴は何処にしまったかしら? と思い始めている自分に驚く。老人部隊は無事に目的地へ辿り着けるのか? ま、梓川の清流と化粧柳のやさしい緑に出会えれば良し、として登山靴とザックを探そう。

沙羅店主

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