沙羅からのお便り 2014年10月28日

久しぶりに田嶋陽子さんを囲んで松戸智絵子、吉野ひかりさん二人の歌い手さんと共に楽しいコンサートのひとときを過ごしました。

「ひかりさんが『頬に汚れがついています』と教えてくれたので鏡を見たら、これがね なんと〈シミ〉なのよ!!」ステージ衣装に身を包み、マイクを手にした田嶋さんの最初のトークに会場が笑いに包まれました。 少し視力が落ちてきた人、若人の艶やかな肌は遠い日の思い出の方々・・・同じ世代のお客様と一緒に私も噴出していました。
そう・・・考えてみると私たちは長い時間を生きて、ずいぶんたくさんのものを失ってきました。若さ、体力、健康、純粋さ、ひたむきに取り組む心、怒ることの勇気と情熱。。振り返ると、いつの間にか自分をごまかし、主張することから生じる煩わしさから逃れ、「穏やかな良い人」を演じている自分を発見して驚いています。長く生きて得たものはあったのかしらと考えてしまいました。捨てたもの、失ったものの方が多いように思います。。 《田嶋陽子さんは素晴らしい!!》 お顔にシミや皺が増えたとは思えませんし、若々しく、世俗に染まらない純粋さと信念を曲げない力を持ち続けておられます。 真に強くなければ優しくはなれない。どんなにバッシングされてもめげない強さと、誠実さが私は大好きです。

「日本はどこへ向かうのだろう」田嶋さんと同じように私も思います。 軽んじられて良い命などないはずなのに。個人の幸せを犠牲にして平和などあり得ないと思うのですが。あの世界大戦で夫を、息子を、家族を失った慟哭と叫びはは忘れ去られてしまったのでしょうか。あの悲しみと不幸が再び私たちの身近に迫ってくるように思われます、日本はやはり戦う国になるのでしょうか。戦う以外に平和を守ることはできないのでしょうか?「日本はどこへ向かうのでしょう」と不安です。 昔々から男たちは戦うことだけに明け暮れてきました。 昨夜、錦織健さんの素晴らしい歌を聴く機会を得ました。「生まれてくる君に何をあげられるだろう?」彼は《****》を歌われるときのトークで「我々が残したもの、それは放射能で汚れた大地というのは悲しい」と。今も原発は稼働に向かって進んでいます。

「日本はどこへ向かうのでしょう」

さんざん女性蔑視を重ねてきて恥じない人々が、女性大臣の頭数だけ揃えれば女たちは喜ぶだろうという発想が更に女性蔑視の重ね塗りをしていることに気が付かないことを不思議に思います。 昔、女性蔑視の看板手ぬぐいを鉢巻しているような友人のご主人と居酒屋でご一緒したことがありました。「サッチャーとか土居たか子だとか女が出てきて何ができるか!!」あまりにひどいので「男たちが陣取り合戦ばかりして政治を本気でやらないから、男が頑張らないから女がでて来たと思うの!少しは反省なさいませ!!」 と叫んだ時がありました 長い時間を経て少しずつ女性にも機会が巡ってきている訳ですから、サッチャーさんや、スーチーさんのように強く真に優しい素晴らしい女性リーダーが生まれることを願っています。 機会があったらまた田嶋陽子さんのトーク&シャンソンのステージにお迎えしたいと思っています。ご一緒に楽しみ、元気になりましょう!!

沙羅 店主