沙羅からのお便り 2014年7月31日

暑中お見舞い申し上げます。

お元気でいらっしゃいますか

パリの街をゆっくり歩いてみたい・・・。長年の夢が叶って数日をパリで過ごしました。

パリ散策

淡い黄緑の木の芽が日を追うごとに新緑に変わってゆく。なんという美しい並木道なのだろう!
建物の高さがきれいに揃っている。東京でも丸の内にあった三菱の赤レンガのビル街は風情があって絵になる美しさがありましたけれど、いまでは遠い過去の風景です。
建物から張り出している看板がない。ケバケバしい色の広告もないし、動くネオンがない。看板はフランス国旗の色、赤白青の三色に限られており、ドラッグストアの十字のネオンだけが点滅できる広告です。
種々の制約をすべて受け入れてパリ市民は暮らしている。パリを愛し、パリ市民としてのプライドを見たような思いがしました。
広い歩道にはカフェのテーブルが並び人々がのんびりとお茶を飲んでいる。街灯が街路樹の通りを行く人々をほのぼのと照らしている。
なんという優しい街並みなのでしょう!!

パリの乞食とスリ

私が宿泊したホテルはオペラ座から少し離れたアンバサダーホテルの隣。
ホテルの横の歩道に大柄な五十代後半に見える男の人が大きな犬を横に座らせ、小さな缶を膝前に置いてゆったりと座り続けている。朝と夕方必ず私はその前を横切ってホテルに出入りするわけです。
毎日会っていると定位置にいないと気になるものです。日曜日はお休みでした。教会にでも行ったのでしょうか。物乞いもビジネスなのかなあ。
毎日「スリ」らしき人に逢いました。気を付けているとわかるものです。きれいな若い女性が3〜4人でたむろしている、彼女たちが動き始めた時は獲物に狙いを定めたとき。
私たち夫婦のような旅人が格好のねらい目なのでしょうか。被害には会いませんでしたが多い日は3回ぐらいスリグループに出会いました。ルーブル美術館前、オペラ座前の交差点の支合待ちの夫が、雑踏の中で私が。ハンドバックの中にびっくり箱などを仕込んでみようか。思わず「パリ野郎」でも歌おうかなどと思ってします。♪パリはやくざで、ギャングもいるけど〜♪〜♪

パリの人はとても親日的

「よくジャパニーズ?」と声をかけられました。
地図を一緒に見て目的地を教えてくれて,地下鉄の切符まで買ってくれた紳士がいました。
レストランでトイレの場所を尋ねようとしているとお客のおじさんが「そこ、そこ!」と指さして教えててくれたりします。
「僕は日本へ行ったことがあります。日本語はとても難しい。ひらがな、カタカナ、漢字・・・でもきれいな言葉で僕は好きです。また日本へ生きたいです」電車の中からご自身の勤務先がある丘の上の気象台を指さして「さようなら」を告げて下車をしてホームに立ってずーっと見送ってくれた天気予報士がよく似合いそうね青年との出会いもうれしい思い出です。
この日本人に対する好意は、100年以上前から、画家や文化人と呼ばれる人々やパリに暮らした先輩たちが、礼儀正しく誠実にパリと関わってきた長い歴史の賜物のような気がします。先輩たちに感謝!

久しぶりに心身共に休息して、リフレッシュできた楽しい旅でした。

 

沙羅 店主